2019年11月末に名古屋大学農学部の関東同窓会があり、当日の講師であった松田洋一教授にお会いしました。その折に、私がもう50年も前に行った、学位論文の「ニワトリ匍匐(ほふく)鶏のCreeper 遺伝子の発現機序が分子レベルでやっと解明され、近々Nature誌の姉妹誌のScientific Reportsに掲載されるとの話をお聞きして感無量でした。残念ながら私は著者の一員ではなく、数編の引用文献として名前が記載されるにすぎませんが。このことをお聞きしてから、突然私の研究の歩みを振りかえってみたくなりました。考えると大学入学からもう60年近くたっていることになります。30年間勤務した(財)食品薬品安全センター(安全センター)では、労力の大半をマウスの始原生殖細胞の突然変異の研究に没頭しました。退職後は、残念ながらもう実験はできませんので、「環境エピゲノミクス」についての文献渉猟を行っています。振り返ってみると、私の研究の旅は「GeneticsからEpigenetics」への旅であったようです。これからもこの旅路はどこまでも続く道であるようです。