• 2024年12月31日 3:01 AM

環境エピジェネティクス 研究所

Laboratory of Environmental Epigenetics

第2回「ラグビーワールドカップ(2023)」

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今年の秋は、フランスで第10回ラグビーワールドカップ(RWC)が開催され、ラグビーファンの私は、明け方のフランスからの実況放送が楽しみだった。日本では、日本がアルゼンチンに負け、ベスト8に進めなくなった時点でRWCが終わったような状態であったのは誠に残念であった。その後の準々決勝以降が非常に面白かったのだ。結局優勝したのは南アフリカで、2位がニュージーランド。いずれも最多優勝回数をかけた激突であった。冷静に見ても、やはり日本はまだまだだという感じを持った。もっと世界のラグビーに学ぶ必要があろう。

ラグビーは毎年細かいルールが変更され、今度も新しいルールが2、3適応されている。これは攻撃側を有利にして、得点を取りやすくするためであり、ラグビーは、いまだに進化し続けている。また、得点もトライの5点に始まり、ペナルティーおよびドロップキックの3点、さらにトライ後のコンバージョンキックの2点までさまざまであり、このことが得点争いを大変面白くしている。そのためか大会では、1点差のゲームが多く見られた。

 今回も決勝まで残った南アフリカは、かっては人種差別から黒人はラグビーには参加できず、そのために始まってから2回のRWCには参加が許されなかった。その後、マンデラ首相がラグビーによる国家統一をもくろみ、これが見事に成功している。南アフリカの国歌は5か国語からできているという。また今は国家が分かれているアイルランドは、以前のカソリックとプロテスタントの間でのキリスト教徒の対立による内戦の時も、統一チームで国際試合に参加し、終わった後にまた内戦が再開されたという歴史もあるそうだ。

 今回の大会で、日本が誇ってもいいのは、参加者の出身国が8か国と最多であったことである。RWCではチームは国籍だけではなく、親や祖父母などの生まれた国や、本人の滞在年度などによってもその国の代表となることができ、またそれも1回だけは変更できるのである。世界から帰化や難民などの問題では批判されている日本なので、これはとても面白い現象である。ラグビーはまさに国際的なゲームと言えるだろう。

    ラガーらの腕のタトーや組むスクラム    徹    (29/10/23)