「北海道」に最初に行ったのは、大学時代に弟と二人で学生用の「北海道周遊切符」を手に入れ、北海道一周をしたときであった。上野から「特急はつかり」で、やっと青森につき、青函連絡船に乗船し、明け方にやっと函館についた。函館から札幌の間は「特急おおぞら」を利用したが、とても長かった記憶がある。やはり北海道は大きいことを実感した。北海道は冬の雪対策があり、また人口も減少しつつあるので、鉄道路線の維持は大変なことは十分に理解できる。
北海道の優等列車のほとんどは、札幌を起終点としているので、旅行中に何度も札幌から乗下車し、その合間に札幌を観光した。札幌では時計台、大道公園、北海道大学、植物園などを見物したが、町中には意外に緑が少なく、またビルが立ち並んではいなかったと記憶している。まだラーメン横丁はなかったようだ。
旅行者の私から見れば、札幌は大都市過ぎて、「ミニ東京」のようであまり感心できないが、JR北海道が何とか採算が練り立っているのは、札幌周辺だけなのだろう。しかし、新幹線を札幌まで延長しても、果たして採算がとれるのだろうかと心配である。航空機の速さにはかなわないと思う。
一昨年、道東を旅行していて、通学の高校生が特急列車で通学している光景に出くわした。おそらく、通学時間に適当な普通列車がなく、通学定期で特急に乗っているらしい。後で時刻表を見ると、走っているのはほとんどが特急であり、ローカル列車はほとんどなかった。地元の人の足はどうなっているのだろうか。
この旅では、「利尻岳」を車窓から見ることが楽しみであった。学生時代の旅では、稚内から利尻島へ渡り、その登頂を試みたが、強風でテントが飛ばされ、登頂を断念した記憶がある。この度は車窓から利尻岳で見えたのはほんの一瞬であり、かっての旅とは全く変わっていた。路線の廃止があったのだろうか。
北海道の鉄道網は疲弊しており、行くたびに路線が目に見えて減っていることを自覚させられる。特急でも車内販売はおろか自販機も設置されておらず、又線路の状態が悪く、車内を歩くとあきれるほどに揺れるのである。
夏の海小さき三角利尻岳 徹 (02/06/21)